梅雨時期は喘息の悪化に要注意
じめじめとした日が続いていますね。梅雨の時期は、お子さまの喘息の症状が悪化しやすいとご存知でしたか?雨の影響で低下した気圧と梅雨の湿気によって増殖するカビやダニが喘息症状を悪化させているのです。
今回は、梅雨時期に喘息が悪化しやすい理由と、ご家庭でできる対策ついてくわしくお話しします。
<梅雨時期に喘息が悪化する理由は?>
じめじめした梅雨の時期は、喘息のお子さまにとって要注意なポイントがたくさんあります。
・カビの増殖
梅雨は湿度が高くカビが繁殖しやすい季節です。
カビの胞子を吸い込むことで喘息の発作が起きやすくなります。
・ダニの増加
布団やカーペット、ぬいぐるみなどはダニが発生しやすい場所です。
ダニの死骸やフンなどが喘息を悪化させます。
・気圧の変化
梅雨は気圧が下がりやすくなります。低気圧によって気管支がむくみ、空気の通り道が
狭くなることで息苦しさや咳といった症状が悪化します。
・気温の変化
梅雨時期は日によって気温が大きく変わったり、朝と晩でも温度差が激しかったりします。
急な温度変化は気管支を刺激して咳が出やすくなります。
カビやダニはじめじめした環境を好みますが、晴れの日にも注意が必要です。湿った空気に溶け込んでいたカビの胞子やダニの死骸やフンが、晴れの日には乾燥して空気中に舞い上がります。低気圧によって気管支が狭くなったところに、喘息のアレルゲンにもなるカビやダニを吸い込んでしまうと、いつも以上に喘息症状が悪化するのです。
<気圧の変化は喘息にどう影響するの?>
人の体は普段、外の気圧と体の内側の気圧がバランスを保っていますが、低気圧で外の気圧が下がると、このバランスが崩れて体の中の気圧が高くなった状態になります。特に敏感なのが、空気の通り道である「気管支」です。
気管支の周りにある血管が膨らみ、気管支の内側がむくんで狭くなると考えられています。もともと炎症などで気管支が狭くなっている喘息患者さんにとって、この「むくみ」は呼吸をさらに困難にし、咳や痰が増えたり、「ゼーゼー」といった喘鳴が起きたりする原因となるのです。
特に梅雨の時期は、雨の日は気圧が下がり晴れの日は気圧が上がりと、気圧の変動が激しい季節です。また気圧の変動は自律神経のバランスも崩します。その結果、喘息症状の悪化やこれまで喘息ではなかったお子さまも症状が誘発されます。
<ご家庭でできること>
ご家庭でのちょっとした工夫が、お子さまの喘息の症状を和らげることにつながります。
・天気予報のチェック
最近では、スマートフォンのアプリなどで気圧の変化を予測できるものもあります。
「低気圧が近づいているな」と分かったら、症状の変化に注意しましょう。
症状が出やすいお子さまは、事前に予防の吸入をしておくなどの対策も有効です。
・定期的な掃除
カビやダニ対策がとても大切です。エアコンを使用する季節は、エアコンフィルターの
掃除も忘れずに行いましょう。
・湿度管理
空気の乾燥は咳症状を悪化させます。
エアコンの除湿機能や除湿器を活用して50~60%に保つように心がけましょう。
・温度差を少なく
冷たい空気を直接吸い込むと、咳が出やすくなることがあります。
エアコンの設定温度を低くしすぎず、外との温度差を少なくしましょう。
気圧の変化によって体調を崩す方も多いですが、お子さまの喘息も例外ではありません。
低気圧によって気管支がむくみ呼吸がしにくくなる、湿気によってカビやダニが増殖する。この2つが同時に起こる梅雨は、喘息のお子さまにとって注意がいつも以上に症状の予防や対策に注意が必要な時期です。また、気圧の変化をきっかけに喘息を引き起こす場合もあります。
「もしかして、喘息の症状が悪化してるかも?」「これって喘息?」と少しでも感じたら、早めに小児科医を受診してください。また、風邪の咳をきっかけに喘息を発症することもあります。喘息は早めの治療開始で重症化を防ぐことも可能です。咳だけが長引いているなどあれば、ご相談ください。
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