気管支ぜん息

気管支ぜん息とは

咳をする子供ぜん息は、息をするときに使う空気の道(気道)が細くなって、呼吸が辛くなる病気です。喘息のあるお子さんの気道は普段から少しだけ赤く腫れて、敏感になっていますが、空気の通り道は確保されているので、通常時は何も問題ありません。
しかしタバコの煙やダニなどの物質、風邪や天気変化など、さまざまなことがキッカケで、ぜん息が急にひどくなることがあります。
さらに、ぜん息の発作が何度も繰り返されると、気道に傷がついてしまいます。
傷が軽いと元に戻ることもありますが、何度も発作が起きると傷が深くなって、元に戻らないこともあります(これをリモデリングと言います)。
そして、呼吸がどんどん難しくなってきます。
だから、ぜん息は早めに見つけて、ちゃんと治療することが大切です。
治療のゴールは、ぜん息の症状が全く出なくて、発作も起きない状態を作ること。
スポーツも普通に楽しめ、日々の生活も普通に過ごせること、そして呼吸の検査結果も問題ないことです。
最終的には、薬を使わなくてもぜん息が出ない健康な体になることを目指します。
当クリニックでは、きちんとした診断を行い、一人一人に合った治療計画を考えます。
症状を軽くするための薬や、アレルゲン(ぜん息をひどくする物質)に対する対策、生活習慣の見直しなど、さまざまな角度から治療法を共に考え、定期的な診察、必要な検査を行いながら、子供さんが元気に成長できるよう、全力でサポートしますので何でもお気軽にご相談ください。

ぜん息についてもう少しわかりやすく教えて

咳をする子供普通の状態では、私たちが息をするための道(気道)はすっきりと空いています(これを①の状態と呼びましょう)。
でも、ぜん息の場合、気道は常にちょっと炎症を起こしていて、赤くふくらんでいるんです(これが②の状態)。
この状態でも、空気の道はしっかりあるので、普段は困ったことはありません(症状がなく、診察しても何も問題は見つかりません)。
でも、この気道はとても敏感で、何かに刺激されるとすぐに反応します。これは、転んで擦りむいたときのように、「触らなければ痛くないけど、触ると『痛い!』と感じる」状態に似ています。
ぜん息の気道も同じで、普段は何も問題がないけど、風邪をひいたり、タバコの煙にさらされたり、アレルギーを引き起こすものに刺激されると、気道がさらに細くなってしまいます(これが③の状態)。 すると、空気が狭くなった気道を通るときに、「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」という音が出ます。これが何度も繰り返されるのがぜん息の特徴です。

たまに、この③の状態を「ぜん息」と勘違いされることがありますが、本当の「ぜん息」は②の状態です。つまり、ぜん息発作が起きて「ぜーぜー」音がなっている時が③の状態で、「ぜん息が発作を起こしている」状態です。
だから、「ゼイゼイ」が止まったからといって、ぜん息が治ったわけではないんです。

ゼイゼイ・ヒューヒュー聞こえるけど、これって喘息ですか?

「ヒューヒュー」「ゼーゼー」はぜん息の特徴的な音です。
これは、空気の通り道(気道)が狭くなり、息が出しにくくなることで起きます。
もし子供さんがこのような音を立てているなら、一度医師に見てもらいましょう。診察やこれまでの症状、検査結果などをもとに、ぜん息かどうかを判断します。
でも、赤ちゃんの場合、気道が細いのが普通なので、風邪をひいただけでも「ゼーゼー」することがあります。
赤ちゃんがぜん息なのか、ただ風邪をひいているだけなのかを見分けるのは難しいです。
でも、多くの子供さんがぜん息になるのは赤ちゃんの時期です。
報告によれば、子供さんがぜん息になるのは、約4割が2歳まで、約8割から9割が5歳までの間だそうです。
赤ちゃんでも、気道が炎症を起こしている状態を放っておくと、症状が悪化する可能性があることが分かっています。
だから、息が苦しそうにしていたり、「ゼーゼー」が繰り返される場合は、ぜん息の可能性があるので、早めにお医者さんに見てもらうことをおすすめします。

どうやってぜん息って診断するの?

ぜん息の診断は、お子さんの体調や、家族のアレルギーの有無、そして日々の生活環境を踏まえて、以下のような検査を通じて行われます。

アレルギーを調べる血液とお肌のチェック「血液検査や・皮膚検査(プリック検査)」

血液検査機器これは、お子さんがアレルギー体質かどうか、また特定のもの(例えば、ダニやペット)に反応するアレルギーがあるかどうかを調べます。
多くの子供たちのぜん息は、アレルギーが原因であることが多いので、この検査結果は、ぜん息の症状を和らげるか、予防するための大切な手がかりとなります。
要因を特定し回避することができ、ぜん息の発作予防や症状の軽減に役立ちます。
なお、1歳未満のお子さんの場合は、血液検査よりも皮膚検査の方が正確な結果を出すことがあります。
そのため、皮膚検査を選ぶこともよくあります。
そして、その場で結果が分かるので、他の年齢の子供たちや大人に対してもお肌のチェックをすることがあります。

胸の写真「レントゲン」

レントゲン検査これは、お子さんの胸や気管の形が正しいかどうかを見るためのチェックです。
また、肺炎やその他の感染症など、ぜん息と一緒に起こり得る別の病気や、ぜん息特有の特徴を見つけるためにも行われます。


息の力を測る検査「呼吸機能検」

マウスピースをくわえて、大きく息を吸ったり吹き出したりを繰り返す検査です。
この検査では、お子さんの肺の能力や、吹き出す息の勢いなどを測定します。
そして、その数値をお子さんの年齢、性別、身長に合わせた一般的な基準値と比較します。
これにより、お子さんの呼吸器(肺や気道)に何らかの問題がないかを確認できます。

息から炎症を探る検査「呼気NO(一酸化窒素)検査」

この検査はとってもシンプルで、ただ機械に向かって一定時間息を吹き込むだけです。
お子さんの気道にどれくらいの炎症があるかを調べる検査です。
これは、ぜん息や、隠れぜん息があるかどうかを見つけるためのテストです。
また、すでに治療を始めている場合には、その治療がうまくいっているかを確認するのにも使います。
気道の炎症の程度を確認する検査です。ぜん息(隠れぜん息含む)のリスクの有無もみることができますし、治療がうまくいっているかを確認することができます。

これらの検査の結果と、お子さんの症状の経過を合わせて考えることで、ぜん息の診断が行われます。

喘息の治療ってどういうもの?

ぜん息の治療は2つの大きなカテゴリーに分けられます。それが、気道の炎症を抑える薬(A)と、ぜん息発作を治す薬(B)です。

気道の炎症を抑える薬(A)

これらは「長期管理薬」と呼ばれ、お子さんの気道の炎症を和らげ、ぜん息発作を予防するために使用されます。
よく知られている薬には、「吸入ステロイド」があります。
これらの薬は、発作が起こらないように、お子さんの気道の慢性的な炎症を毎日コントロールします。
発作が起こらなくても、毎日、定期的に使用する必要があります。継続して使用することで、気道の炎症が改善され、発作が起きにくくなります。

ぜん息発作を治す薬(B)

これらは「発作治療薬」と呼ばれ、お子さんがぜん息発作を起こしたときに使用します。
このタイプの薬には、「気管支拡張薬」が含まれます。これは発作が起きたときに、狭くなった気道を広げて呼吸を楽にする役割を果たします。
ただし、この薬は気道の炎症を抑える効果はありません。
だから、もし炎症が収まらなければ、また発作が起こる可能性があります。
このため、ぜん息の管理には長期管理薬の使用も重要となります。

急いで受診するべき喘息発作ってどんな時?

体調の悪い子供お子さんが息を吸うときにのどやろっ骨の間がはっきりとへこんだり、話すのが苦しくなったり、眠れないなど、「強いぜん息発作のサイン」が現れている可能性があります。
このような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
お子さんの生活の様子、具体的には会話や食欲、睡眠などをよく観察しましょう。
また、顔色や脈、呼吸の様子も注意深くチェックしてください。
これらの観察を通じて、受診のタイミングを見逃さないようにしましょう。

吸入ステロイドで副作用はないの?

吸引薬を使う子供吸入ステロイド薬は、気管支に直接届くため、内服の100分の1程度のわずかな量でも効果的です。
一方、ステロイドの内服薬や注射薬は全身に作用するため、副作用には注意が必要です。
ただし、発作の際に数回服用や注射する程度では問題ありません。
吸入ステロイド薬を使用する際に注意が必要なこととして、お薬が口の中に残ったままになると、のどの違和感やカビの発生(カンジダ症)が起こる可能性があります。
これを防ぐためには、吸入後は毎回うがいを行うことが重要です。うがいができない年齢の場合は、吸入後に水を飲んで胃に流すようにしましょう。

吸入ステロイドは、身長伸びと関係ある?

身長を測る親子吸入ステロイド薬を使うと、お子さんの身長が1〜2cmほど小さくなるかもしれない、という研究結果があります。
それはちょっと気になる情報かもしれません。でも、大切なことは、その薬を使わなかった場合に比べて、お子さんの生活の質が格段に良くなるということです。
さらに、吸入ステロイド薬がなかった時代は、発作が起きやすく、ぜん息で夜も眠れずに成長がストップすることがありました。
吸入ステロイド薬を使うことで、気道の炎症が落ち着き、発作が少なくなり、生活も楽になることが期待できます。それに、吸入ステロイド薬のおかげで、ぜん息で命を落とす人が減ったとも言われています。
医師は、この薬のメリットとデメリットをよく理解して、お子さんに必要な量を見極めて処方しています。
そのため、薬を使うことで、お子さんの身長が少し伸び悩むかもしれないデメリットよりも、普通に活動できるメリットのほうがはるかに大きいのです。
何か疑問や心配事があれば、どんなことでも医師に相談してみてください。ぜん息の治療は、お子さん一人ひとりに合わせた適切な治療が大切です。

記事執筆者

院長 鈴木俊輔

山と空こどもアレルギークリニック院長 鈴木俊輔

学位
  • 医学博士 1556号
  • 2011年4月20日 ロタウイルス感染に伴う中枢神経合併症における髄液サイトカインの検討 (Cerebrospinal fluid cytokine in central nervous system involvement associated with rotavirus infection) 東京医科大学雑誌(0040-8905)69巻2号 Page227-233(2011.04)
資格・所属
  • 日本整形外科学会
  • 日本骨粗鬆症学会
  • 日本小児整形外科学会
  • 日本人工関節学会
標榜科目 小児科・アレルギー科
TEL 042-686-3447
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