先手必勝!花粉症初期療法の進め方
年々、お子さんにも増えている花粉症ですが、症状が出る前に対策を始める「初期療法」が有効です。
2026年の花粉飛散量は例年よりも多いと予想されており、毎年春が近づくと目のかゆみや充血、くしゃみ、鼻水などの症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
スギ花粉症は、例年2月半ば頃から症状が出始めます。毎年同じような症状でお困りの方やお子さんは、花粉の飛散前から対策を始めておくことをおすすめします。
<花粉症とは>
花粉症はアレルギー性鼻炎の一種で、アレルゲンである花粉が鼻や目に入ると、体が過剰に反応し、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を引き起こします。
症状が続くことで睡眠不足になったり、授業に集中しにくくなったりと、学習への影響も見逃せません。
花粉は一年を通して飛散していますが、春の花粉症の主な原因はスギ花粉です。スギ花粉は風に乗って数十km先からも飛んでくるため、家の近くにスギの木がなくてもアレルゲンに触れてしまうのです。
<花粉症の症状>
目の症状
かゆみ・充血・涙目
鼻の症状
くしゃみ・鼻水(透明でサラサラ)・鼻づまり
その他、頭痛や倦怠感を伴う場合もあります。
症状の程度は個人差や花粉の飛散量によっても変わります。
また、これまで花粉症症状がなかった場合でも、花粉の飛散量が多い年に新たに花粉症を発症する方も少なくありません。
花粉症かも?と感じる症状があれば早めに受診しましょう。
<初期療法をオススメする3つの理由>
理由① 症状の出現を遅らせることができる
花粉の飛散前や症状がない時期から抗アレルギー薬を服用することで、鼻の粘膜が花粉に過剰反応するのを抑え、症状の出現を遅らせることができます。
理由② 症状の重症化を防ぐことができる
多くの抗アレルギー薬は、効果が現れるまでに時間がかかります。早めに服用を開始することで、症状を軽く抑える効果が期待できます。
理由③ 薬の使用量を減らすことができる
症状の出現が遅れ、重症化も防げるため、結果として花粉症の症状が出ている期間が短くなり、点鼻薬や点眼薬などの使用量を減らすことができます。
これらの理由から、当院では例年花粉症に悩まされている方に対して、花粉飛散前から抗アレルギー薬を開始する「初期療法」をおすすめしています。
<初期療法のタイミングと方法>
症状が重い方は、花粉飛散開始予想日の1~2週間前から、通常は花粉飛散開始予想日ごろから服用を開始します。
抗アレルギー薬などの内服薬に加え、必要に応じて点鼻薬や点眼薬を処方します。
また、薬の使用だけでなく、外出時のマスク着用や、帰宅時に上着をはらって花粉を家に持ち込まないなど、基本的な花粉症対策も大切です。
2026年も関東では、花粉の飛散量が例年より多いと予想されています。
快適に過ごすためにも、花粉が飛び始める前から対策を始めましょう。
「花粉症かもしれないけれど、検査をしていないので分からない」という方には、アレルギー検査をおすすめしています。
原因を明確にし、正しい対策を行いましょう。
<舌下免疫療法>
スギ花粉症には、舌下免疫療法による治療も可能です。
アレルゲンとなるスギ花粉を少量ずつ投与し、体を慣らしていくことで、アレルギー症状を抑える治療法です。
花粉の飛散が落ち着いた時期から、次の花粉症シーズンに向けて治療を行います。
舌の下で1分以上錠剤を保持する必要があるため、5歳以上のお子さんが対象となり、例年6月頃~11月頃まで治療を開始できます。
治療を希望される方は、お気軽にご相談ください。
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