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ハウスダストアレルギーを知って、子どもの健やかな毎日を守ろう

ハウスダストとは、目には見えないほど小さな「ほこり」の総称です。私たちの生活環境には、ふけや垢、動物の毛・ふけ、ダニの死骸やフン、カビ、細菌、食べ物のカス、花粉、衣類や布団の繊維くずなど、さまざまな微粒子が混ざっています。
この中でも アレルギーの原因として最も多いのは「ダニ(ヒョウヒダニ)」 で、乾燥した死骸やフンが空中に舞い上がることで、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみ・皮膚のかゆみ・咳などの症状を引き起こします。

とくに小さなお子さんでは風邪と間違えやすい症状もあるため、保護者の皆さまの見守りが大切です。

 

ハウスダストアレルギーの特徴と治療

症状を抑える第一歩は、原因物質(アレルゲン)を正しく知ることです。
ハウスダストの中には多くの微粒子が含まれますが、実際にアレルギー反応を起こす主なアレルゲンは ダニ(ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニ) です。

なぜダニが中心となるのか?

  • 日本の住宅は湿度が高く、ダニが繁殖しやすい
  • 布団・ベッド・カーペットなどに大量に生息
  • ダニのフンや死骸は非常に細かく、乾燥すると空気中に舞いやすい
  • 一度舞い上がると吸入しやすく、鼻粘膜・気道で反応しやすい
  • 小児は寝具・床面に近い位置で生活するため、ダニ暴露が増えやすい

そのため、ハウスダスト対策=ダニ対策が中心になります。

当院では血液検査でアレルゲンを特定し、症状に応じて飲み薬・点鼻薬・点眼薬・塗り薬などを組み合わせて治療します。
お薬の目的や効果は丁寧に説明し、保護者の方と相談しながら治療方針を決定します。

また、ハウスダストに卵などの食物カスが混ざると、乳幼児の食物アレルギーの“感作”を促す可能性もあります。花粉やカビ、ダニが重なって症状を悪化させるケースもあるため、総合的なケアが必要です。

 

日常生活でできる予防と対策

▸ 1. こまめな掃除と洗濯

就寝前の清掃や寝室の清潔がとくに重要です。
カーペットやラグのダニ・花粉には掃除機の使用が効果的です。

▸ 2. ダニ対策は「布団」が最大のポイント

ダニは高温多湿を好みます。
・布団乾燥機を使い、高温(50℃以上)でダニを死滅
・乾燥後は必ず掃除機で死骸・フンを吸い取る
・天日干しも有効

※布団・枕・マットレスの清潔管理は、ハウスダスト対策の核となります。

▸ 3. 室内環境の管理

・室温は20℃以下、湿度は50%以下が目安
・押し入れやタンスは風を通し、除湿を徹底

▸ 4. 外出後の花粉対策

玄関で衣類についた花粉を払い、手洗い・顔洗い・うがいをしましょう。

▸ 5. ペットの清潔管理

ペットの毛やフケもアレルゲンとなることがあります。
定期的なシャンプーは一時的にはアレルゲン量を減らしますが、
効果は限定的で、長時間は続きません。
そのため

・ペットを寝室に入れない

・こまめな掃除

・換気
などの環境整備がより重要になります。

▸ 6. 空気清浄機の併用

空気清浄機は、浮遊するダニ・花粉・ホコリを減らすうえで一定の効果があります。ただし、ダニの多くは布団やカーペットなど“床付近”に存在するため、空気清浄機だけで症状が大幅に改善するわけではありません。掃除・寝具の管理・湿度調整と組み合わせることで、より効果が高まります。

 

風邪との見分け方・受診のタイミング

ハウスダストやダニが原因と考えられる症状が長引く、季節と関係なく同じ症状が続く場合は、アレルギーの可能性があります。

・鼻水・鼻づまりが何週間も続く

・朝や夜に症状が悪化する

・咳が長く続く

・皮膚のかゆみ・湿疹が繰り返す

これらの症状が見られたら、早めにご相談ください。
当院ではアレルゲン検査から治療、生活環境のアドバイスまで一貫してサポートします。

 

まとめ

ハウスダストアレルギーの主なアレルゲンは ダニ であり、対策の中心もダニへのアプローチになります。
日常の工夫と適切な治療で症状は大きく改善できますので、お子さんが安心して過ごせる環境づくりを一緒に進めていきましょう。

標榜科目 小児科・アレルギー科
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